当院の遺伝医療センター(旧 遺伝子診療部門)は2006年に開設し、臨床遺伝専門医、認定遺伝カウンセラーを中心に各診療科との連携のもと、チーム医療として遺伝に関する医療を提供しています。遺伝にまつわるさまざまな不安や悩みを抱えている方やそのご家族に遺伝カウンセリングを行い、その意思決定を支援しています。対象は遺伝性疾患、遺伝性腫瘍、出生前診断(NIPT含む)、先天性疾患、難聴、難病、希少疾患など多岐にわたります。保険収載された遺伝学的検査は100種類を超えており、難病や希少性疾患を診断する上で、遺伝学的検査が活用される機会が増えています。また、がん遺伝子パネル検査が2019年6月に保険収載され、がんに特徴的な遺伝子変化に応じた治療薬の探索が当院で行われています。がん遺伝子パネル検査を行う中で、遺伝性腫瘍の可能性を検討する必要がある場合があります。当センターでは、遺伝性腫瘍に対する遺伝学的検査や遺伝カウンセリングを実施し、がんゲノム医療の推進を支援しています。さらには、従来の検査法では診断にたどり着かない未診断症例に対して網羅的ゲノム解析を行い、確定診断に結びつけるIRUD(未診断疾患イニシアチブ)研究事業に当センターが中心となり参加しております。社会における遺伝医療の理解を深め、遺伝医療を担う医療人を育成することにも注力しています。進歩するゲノム診断技術に社会的・心理的な観点を取り入れながら、当センターを受診された方々のためになる遺伝医療をお届けしたいと思っています。
臨床遺伝専門医 遠山 潤(指導医) 池内 健(指導医) 入月 浩美
認定遺伝カウンセラー 栗山 洋子 藤田 沙緒里
遺伝カウンセリングは、遺伝カウンセリング担当者と各診療科の専門医と協働して行っています。